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地底人は地上を目指す

地方在住&底辺生活な地底人主婦の雑記。

型破りな父(故)の記した商売の教訓

一.礼儀正しく
一.初心非望と歓喜
一.蜱の心がまえで完売
一.追えば逃げる金も生きもの
一.天費銭戦
一.乞じきに氏なし

私の父が記した商売の教訓です。
4人兄弟の末っ子で上は姉3人。
祖父は婿養子なのですが
その父を7歳の時に亡くしました。
祖母が料理屋を切り盛りしながら
4人を育て上げ
3人の姉達もお嫁にだしました。
料理人にはなれないと言い、
30代で小売業を起し、
店舗兼自宅、倉庫2軒、工場1軒を建てました。

問屋さんが招待してくれる海外旅行が
10年ほどの間毎年のようにあったけれど
何回行っているのか。。。
景気が良かった昔は、小売販売店の売上成績があれば
その会社から一人を招待してくれたらしいです。
うちは父と母がいつも一緒だったのですが
招待一人。もう一人は自前。
売上だすのもそうだけど
当時海外旅行一人分を10年間毎年。
考えてみるとどれだけ気張って働いていたのか。

長兄は私立歯科大学に進学、今は歯科医。
次兄は商売継いで今は順風。
私は私立短大を出させて貰った。

奨学金なども利用していない。

奨学金頼みの私たち夫婦ですが
同じ親の立場に立つと
この田舎商売で一体どうやって?
と思うのです。

勉強家ではありました。
新聞は田舎では珍しい日本経済新聞
愛読書は株式の四季報
週末の楽しみの競馬ブックは隅々まで読破。

尋常高等小学校出。でも頭は良し。
気難しくもないし、朗らかでしたよ。
商売人だったので。

60歳でこの世を旅立ち、
以来兄が上手に継いで今に至っています。

この家訓。
父が考えたのか、引用したのかは不明ですが
亡くなってから24年の間
ずっと掲げられたままです。


『礼儀正しく』
読んで字の如く、基本中の基本です。


『初心非望と歓喜』
初心=最初に思い立ったときの純粋な気持ち、初志。
非望=身分にふさわしくない大きな望み
歓喜=非常に喜ぶこと。心からの喜び。
少年よ大志を抱け
夢だけは大きくいきなさいよ。
ってことでしょうか。

別に仏教では
初心=初めて悟りを求める心を発すること、その人。
非望(誹謗)=仏教を誹り悪口を言う
歓喜=浄土往生の決定を喜ぶ
????
誰か解説頂けないでしょうか。。。


『蜱(だに)の心がまえで完売』
蜱=食らいつく
心=気持ち・根性・在り方
完売=売りつくす
これは大丈夫ですね。
頭使って、体使って
食らいつく根性でモノを売れ。


『追えば逃げる金も生きもの』
カネ、カネと卑しくなるな。


『天費銭戦』
天費=????
銭戦=????
ほんとさっぱりわからない
カネは天下のまわりもの
てきな感じなんでしょうか。


『乞じきに氏なし』
乞じき=物乞い、物もらい
氏=家、代々引き継がれ家系を表す名称
多分、働かざる者、食うべからず
働かざる者、名も名乗らず。か。


先日ご縁様に訊ねみました。
もしかして仏教的なものの言われがあるのかと思って。
即答は頂けませんでしたが
勉強しておきます。
と。
返答いただけたらお知らせしたいと思います。


そんな父のびっくりエピソードを2件。

近所で火事があった時にとった行動2件
私は地元に居なくて聞いた話ですが。

1件目は子供救出劇。
消防車がかけつけ
周りは野次馬の人間で混雑する中
聞くと家の中にはまだ幼い兄弟が。
すると俺がやらないと誰がやる
と思ったのか我が父。
上着で頭を覆い
頭から水をかぶる
映画さながらのあの光景です。
消防隊員は当然引き止めますが
そんなのお構いなしでそのまま火の中へ。

トイレに2人で小さくなっていたそうです。
お兄ちゃんと妹ちゃんを抱きかかえて
火の中から帰還。
そういう時は狭いところが安全という考えが
在りがちというのか
すぐトイレの場所を探したのか
場所を訊いてから突入したのかは聞いていませんが。

野次馬がワイワイ騒ぐなか
呆然となっている、その兄弟の母親に
『ほれ』。と言わんばかりに2人を手渡すと
頭にかぶっていた上着を
ごく自然に片方の肩にひっかけて
何事もなかったかのように
銭湯に向かったという。
顔は真っ黒だったそうです。
もしかしたら口笛も吹いていたのかも(笑)


火の海に飛び込んで行くって。。。
まじで何考えてんだか。
電話で聞かされたその時は
ウソだろと耳を疑いましたが
今思い返すと、自分の父親ですが
なんと意気のある人なんだと
素直にすごいと思うのです。

まぁ1本どこかキレている父親だったので
無いことも無い事件がもう一つ。


また別の火事でのこと。
昔は灯油のストーブで多かったんですね。
その現場は家から30mほどの別宅倉庫の真後ろ。
倉庫だけに在庫が大方ぶち込んであるので
父にしたら火が移ったらと思うと
消防隊員が何を言おうが
本当に他人事ではないのです。

夜中だったのでシャッターもしまった状態でした。
その家の表に行きシャッターを力任せにぶち破る。
そうして火を表側に出さないと裏手に火が回ると
考えたみたいです。
今回もまた消防隊員が止める声も
当然耳には入っていないわけで。
『あんたらはどうだか知らないが俺には他人事じゃねーんだ』と
またも消防隊員を怒鳴り散らすという。

でもそりゃそう。
あの父ならやりかねない、、、

母は気が気でない時間が
どれだけ在っただろうと思うのです。

突然何を言い出すか
何をしだすのか
全く読めない性格。

一度怒り出すと
収拾がつかなくなり
そこらじゅうに当たり散らす始末。
実家が遠い母はよく外に泣きにでていたのを覚えています。
30分くらいで帰ってきていました。
苦労した母は今とても元気で
家では
家では韓国ドラマに裁縫
お茶だったり会合だったりと
外への集まりにも忙しく飛び回っています。
もうしばらくはこのままでしょうね。